Stem Method(ステムメソッド)とは
『Stem Method』とは、Stem=幹となるミニマムな学習領域を把握した上で、そこに入る基礎知識を最初に繰り返し学習し、その後に枝葉となる周辺知識を継ぎ足していく学習方法です。RITSEのワークショップでは、Stemとなる会話表現を最初に身につけることにより、その後の学習や実際のビジネスでのやりとりで表現方法(単語や言い回し)を継ぎ足していける土台を作ります。
Stem Methodでは、ビジネスでよく用いられる『フレームワーク』の考え方を用いて、基礎知識をいくつかの領域に分けて、その領域自体を短時間で覚えてしまいます。
その領域を覚えたあとで、そこに入る知識を学んでいくことで知識がマップ化され効率よくインプットできるようになります。もちろん、マップ化された知識は引き出しやすいためアウトプットの効果も高まります。
具体的な例として、『RITSE』の由来の紹介とともに説明します。
RITSE(ライツ)とは
『RITSE』とは、R:Ready、I:Invitation、T:Talk、S:Set、E:Etiquetteの頭文字を取った文字列で、『ライツ』と読みます。これは、ビジネスで必要となる取引を行う場合のプロセスと必要な準備をさしています。
具体的には以下の通りです。
R:Ready=ビジネスコミュニケーションのための準備
I:Invitation=ビジネスコミュニケーションへの招待
T:Talk=コミュニケーションの内容
S:Set=継続的なコミュニケーションのための予定決定
E:Etiquette=会話における作法
RITSEでは、この文字列を最初に覚えます。そしてこれは、R:Ready、I:Invite、T:Talk、S:Set、E:Etiquetteの頭文字であることを何も見ないで言える状態にします。
ここまでで、頭の中に『知識の骨格』つまり『フレーム』が構築されます。そして、Ready(準備する)の内容を学習し、同じようにInvite(招待する)では、Talk(話す)では…と、学習して、シンプルなひとまとまりの知識のセットを身につけます。
こうすることで、復習するときでも、何も見ずにRITSEというフレームに紐づいた知識を辿って、会話を思い出すことでビジネスで使う英会話を身体に染み込ませます。
一例として、R:Ready(準備)では、取引に必要な準備をします。相手から何かを購入したいのか、何かを売りたいのか、もしくは協力して何かを作りたいのかを整理します。
これには、上記のQ²CD²Pシートを用いて、自社(自分)の目的を整理します。例えば、自社で年末の商品材料を輸入しようと考えた場合で、海外から仕入れたいとします。この時の取引について、自社(自分)が許容できる取引の幅を決めておきます。Q²CD²Pのうちのいくつかを例にすると、
Q:Quality(品質)であれば、グレードが数段階あるうちの、良い方のAかBが許容範囲
しかし、もしコストが半分になるならB~Cのグレードでも良いと考えるのであれば、条件つき範囲に条件とともに記載します。
D:Delivery(輸送)であれば、その豆が空輸で12月1日〜12月4日以内に店に到着が許容範囲
これがマストの条件であれば、条件つき範囲には何も書きません。
このような感じでシートにまとめます。
売る側も、協力して計画を進める場合も同じようにまとめます。
Invite(招待する)では、WebミーティングならメールやSNSメッセージなどで会議をするための招待文を書きます。これも、専用のフォームに必要事項を記載するだけです。
Talk(話す)では、StrategyzerのThe Business Model Canvas(ビジネスモデルキャンバス)を用いた単語シートで、取引に必要な単語を見ながら会話の練習をします。ビジュアル的に記憶に残るように工夫されたシートを使用し、ワークショップで繰り返し練習して身につけます。
Set(取引や次の会議の日程決定)、Etiquette(会話における礼儀作法)も同様に身につけやすい工夫がなされたものになります。